Euphorbia cumulata R.A.Dyer
原産国:ケープ州

E.cumulata は1926年にR.A. Dyerによって発見され、1931年に記載されました。
cumulataという種小名は、共通の根系から多数の茎が集まっている草姿に由来します。
基準産地はグラハムズタウン北東のボサズ・リッジという場所で、この種はグラハムズタウン北東部のグレートフィッシュリバー自然保護区の乾燥地帯のみで知られています。
自生範囲は広くありませんが、生息地の気温や降雨量は一様ではなく、産地によって形態に細かな違いがみられるようです。

高さは8~30cm(ほとんどは20cmまで)、幅20~100cm程です。
一見すると、あまり特徴のない種で、E.mammillaris やE,heptagona と似た植物のように見えますが、本種最大の特徴は地下茎により群生することです。その形態は、同属の他種とは全く異なった、興味深いものです。
基本的には地下茎で増殖し、分岐はしませんが、栽培下で肥料分が多い場合は分岐することが往々にしてあります。

肥料分が多く、茎の中間部では分岐がみられるが、基本的には地下茎で殖える
栽培は容易ですが、本種が国内で流通することは稀です。以前、種子が種子業者のリストに載ったことがありましたが、残念ながら発芽した苗は別種(E.canariensis ?)でした。
写真の苗は地下茎で殖え、群生しつつあります。
雄雌を揃えられ、毎年僅かですが実生することも出来ています。もし、見かける機会があれば、その特徴をお手元で観察して頂ければと思います。
参考文献
White, A., Dyer, R.A., & Sloane, B.L. (1941). The Succulent Euphorbieae (Southern Africa). pp.583-585.
Peter V. Bruyns.(2022).Euphorbia in Souuthern Africa.pp.113-116.
Royal Botanic Gardens, Kew. (n.d.). Euphorbia cumulata R.A.Dyer. Plants of the World Online. Retrieved February 7, 2025, from https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:346175-1
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