Euphorbia gymnocalycioides / ユーフォルビア・ギムノカリキオイデス

Euphorbia gymnocalycioides
原産地:エチオピア

エチオピア原産の珍種ユーフォルビアのひとつ、ユーフォルビア・ギムノカリキオイデスは、その種小名が示す通り、サボテン属のギムノカリキウム(Gymnocalycium)を思わせる姿をしています。
『ユーフォルビア・ジャーナル』では「近年の発見の中でもっとも興奮を呼ぶ種のひとつ」として紹介されたことでも知られます。

本種は1893年4月7日、イタリアの博物学者 Eugenio Ruspoli と植物収集家 Domenico Riva によって、エチオピア南部のジアコルサ(Giacorsa)で発見されました。
その後、1982年5月11日にGerhard Frankがジアコルサから北へ約55kmの地点で再発見し、1984年にMichael George Gilbert博士とSusan Carter博士によって正式に命名・記載されました。

さらに1994年、植物学者 Vítězslav Vlk 氏と Robert Lizler 氏が、原産地の南に位置するネゲレ州の Welenso Ranch と呼ばれる谷で個体群を確認しています。
Vlk氏はその報告の中で、この谷の生物多様性を「信じがたいほど豊か」と表現しており、
7種のCommiphora、Boswellia neglecta、Euphorbia aff. actinoclada、E. glochidiata、E. brunellii、E. longetuberculosa、Dorstenia barnimiana、D. crispa、Adenia aculeata、Pelargonium、Momordicaなど多様な植物群に加え、クーズー、ハイエナ、ジャッカル、ヤマアラシ、数十種の鳥類、そして数百種におよぶ昆虫類が確認されたと述べています。
この調査では、数百本の成木と多くの若い苗が観察されましたが、その数年後には本種は壊滅的な被害を受けたと報告されています。
さらに2022年の調査では「徹底的に探索したが、1本の苗すら確認できなかった」とされ、
現在、Euphorbia gymnocalycioides の自生個体群は一か所しか知られておらず、野生下では絶滅の危機に瀕している状況です。

実生苗。形態的な差が大きく、こちらはツノが目立たないスムースなタイプ。

栽培については気難しい部分もなく育てやすいユーフォルビアのひとつです。かつて栽培下では希少で、接木にて慎重に維持されてきましたが、現在では丈夫な種ということが知られてきます。
肥大した茎にたっぷりと水分を蓄えることが出来ますので、水やりは控えめに。
エチオピア原産ですが、耐寒性も高く5℃程度であれば問題ありません。
ハダニと思われる被害を受けることがあるため、病害虫のための対策は必須です。

初夏〜秋までよく開花してくれるため、種子を得ることも難しくありません。
ただし種子は非常に小さく、発芽後の成長速度も遅鈍です。
それでも本種は形態的な差が大きく、育種交配が唸るユーフォルビアのひとつになるのではないかと密かに期待しています。実生する価値が大いにあるユーフォルビアでしょう。

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