Meleuphorbia列の普及種たち

Euphorbia属 Athymalus亜属 Anthacanthae節 Meleuphorbia列
これは分類階級を示す連続した名称です。この列には以下の14種が含まれ、園芸的にも広く知られた強健な種類が多く含まれています。

  1. Euphorbia susannae
  2. Euphorbia pseudoglobosa
  3. Euphorbia tubiglans
  4. Euphorbia obesa
  5. Euphorbia meloformis
  6. Euphorbia polygona
  7. Euphorbia cumulata
  8. Euphorbia pulvinata
  9. Euphorbia ferox
  10. Euphorbia mammillaris
  11. Euphorbia heptagona
  12. Euphorbia stellispina
  13. Euphorbia pentagona
  14. Euphorbia pillansii
形態と分布

Meleuphorbia列のユーフォルビアは南アフリカ、レソト、スワジランドに分布しますが、多くは南アフリカ南部〜南東部に集中しています。例外的に E. pulvinata のみが広い分布域を持ちます。
E. polygonaの様に高さ2mに達する低木から、E. susannaeの様に地下に潜るもの、E. obesaの様な球状のものまで形態は様々です。

手前:Euphorbia polygona var. nivea
奥:Euphorbia polygona var. polygona J&R86 Parson’s Vlei,Port Elizabeth
Euphorbia polygona var. ambigua J&R162 Burbank, west of Klipplaat, RSA
Euphorbia nesemannii sp.nova.aff. PV1491 Montagu,RSA
現在はEuphorbia pseudoglobosaのシノニムとして扱われる。
Euphorbia cumulata J&R63 East of Ecca Pass Monument
地下茎にて増殖する。Meleuphorbia列の中でも他に見ない特徴を持つ。
E. heptagona複合体について

上述の14種のうち、以下の種はE. heptagona複合体という概念で扱われる提案があります

  • E. heptagonaE. enopla、E. atrispina含む)
  • E. mammillarisE. fimbriata含む)
  • E. aggregata
  • E. ferox
  • E. pulvinata

“種の複合体”とは、外見的に違って見えても、その境界が曖昧で連続性を持ち、種を明確に分類することが難しい一群を指します。
これは、分類の揺らぎや分化過程そのものを観察できる興味深い対象であり、ロカリティ付きの株を比較して観察することで、その連続性・多様性を感じることができるでしょう。
以下の写真はiNaturalistから引用したもので、分布域の南限と北限に自生するE.feroxを比較したもので、変異の大きさを知ることができます。

Euphorbia ferox by
danielkamen licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
iNaturalistで確認できる最も南部(Vanwyksdorp)に自生するタイプ。
Euphorbia ferox by
danielkamen licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
Vanwyksdorpのタイプ。よく知られたタイプとは異なる。
Euphorbia ferox by 
ugor licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
iNaturalistで確認できる最も北部(Steynsburg)のタイプ。
Euphorbia ferox J&R164 Farm ‘Drie Kuilen’ east of Steytlerville
Euphorbia ferox Swanepoelspoort, between Willowmore and Klipplaat
Euphorbia heptagona J&R54
North of Triumpheeter’s Drift, Eastern Cape.
Euphorbia aggregata sp. aff. J&R116 Valley of Desolation, North/West of Graaff Reinet.
種子の粘性という共通点

Meleuphorbia列のユーフォルビアは共通して種子にわずかな粘性を持ちます。
これは偶然ではなく、生態学的な戦略である可能性があります。

  • 動物の体表面への付着
  • 雨水に伴う短距離散布
  • 土壌への接着による発芽条件の確保

これらの特徴が、過酷な半乾燥環境で効率的な世代更新を可能にしているのでしょう。

普及種の再評価

この14種はどれも性質が強く、栽培や繁殖が容易であることから、古くより入門種として普及してきました。
しかし近年のユーフォルビア人気の中で、「普及種」という言葉がどこかネガティブな響きを帯び、敬遠される傾向が生まれてきています。

SNSでは「目新しさ」「希少性」が評価されやすく、普及種は他者との差別化が難しいためかもしれません。
しかし、普及種の栽培には他者ではなく植物そのものと向き合う喜びがあります。

値段や希少性ではなく、形態や成長を観察しながら深く理解していく——
これは派手ではありませんが、植物を育てる醍醐味そのものです。

Euphorbia pulvinata by norberthahn licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
笹蟹丸の一型だが、よく知られている姿とは全く異なる。分布域の北限に自生するもの。
Euphorbia pulvinata by 
jamiepote licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
笹蟹丸の分布域の南限に近い場所に自生するタイプ。本種の分布域は極めて広く変異が大きい。
Euphorbia pillansii by kobus_lubbe licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
最近、人気が出てきたピランシー。
Euphorbia pillansii by kobus_lubbe licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
新棘の色が紅く染まる美しいタイプ。
Euphorbia heptagona by 
abdullateefismail licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
素晴らしいタイプだが、判別は難しい。
Euphorbia heptagona by 
andre_vm15 licensed under CC BY-NC 4.0,via iNaturalist
E.enoplaはこのタイプか。

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