歴史的概要
最初の1株は、1912年にSelmar Schonland博士によってクリップラートにて採集され、研究のためキュー植物園に送られました。1915年にN. E. Brownによって正式にEuphorbia breviramaと命名されています。その後、90年以上経った最近まで再発見されていませんでした。
1991年、Euphorbia breviramaの模式地の近くで、非常によく似た小型のユーフォルビアが発見されましたが、記載には部分的にしか一致せず、最終的にはEuphorbia astrophoraとして記載されています(この個体にはGM204というナンバーがつけられています)。
2006年にクリップラート近郊で遂にEuphorbia breviramaとしか言いようのないものが再発見されます。
2010年には西へ130km離れた場所で、典型的なEuphorbia breviramaの特徴の90%以上に一致する個体群が発見されています。

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1912年に採集され、1913年6月に開花したタイプ標本となった株の水彩画
特徴的なカップ状の腺を確認できる。
Euphorbia breviramaの形態的特徴
矮性の多肉植物。棘はないが、枝には乾燥した花柄の残骸が残る。主茎は太い主根の延長で太さは最大で5.5cm。上部は平らで、小さく窪んだ頂部がある。
枝には結節があり、先細りの円筒形。長さは最大で35mm(大部分はこれよりも短い)、円筒形の部分は太さ最大8mm(基部は最大12mm)。葉は長さ1mm、卵形で鋭く、すぐに落葉する。
花序は枝の先端近くから腋生し、長さ3-6mmの直立して広がる半持続性の花柄。サイアチウムは両性花(雄花のみの場合もある)で、幅4mm、深さ4mmの鐘形の鈍い赤みがかった色の総苞を持つ。5つの腺と5つの丸い裂片。上から見ると円形で肉質。中央にやや深い空洞があり、緑色。
流通しているブレビラマの正体
クリップラートの南数キロの場所ではEuphorbia gorgonisに似た小型のmedusoid種が古くから発見されています。
現在、流通しているものは、クリップラート近郊のmedusoid種という理由だけで、過去30年以上にわたりEuphorbia brevirama(ES12576)として栽培され流通していたものです。これらも花の形態が一様ではなく、中には十分な管理のもとになく、交雑してしまったものがあるのかもしれません。
いずれにせよ、真のEuphorbia breviramaではないようです。未だ、これというものには出会っていません。手にしたいような、いつまでも希少種であってほしいような複雑な想いです。
※ESという番号はフィールドナンバーではなく、エキゾチカのカタログ番号です。
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