Euphorbia louwii L.C.Leach
原産国:南アフリカ共和国(Northern Provinces)
学名の人名語尾(-ii)は、「〜にちなんで」という意味を持つラテン語の属格形です。
種小名のlouwiiはL.C.Leachと共に、1975年11月1日にタイプ産地を訪れたlouw氏への献名です。この時に採取された標本から、本種が記載されています。
分布と生息環境
旧トランスヴァールのメルケン周辺のウォーターバーグ山脈北端でのみ知られており、自生範囲は狭く、限られています。周辺では過放牧や農地化による生息地の劣化がみられますが、本種は岩が非常に多い場所に生息しているため、これらの影響からは守られているようです。
大きな岩の間に生息し、様々な落葉樹やアロエ、カランコエ等と共にみられるようです。

miamomberg licensed under CC-BY 4.0,via iNaturalist
岩の間にアロエと共に自生している。

miamomberg licensed under CC-BY 4.0,via iNaturalist
形態
両性。高さ0.15〜1m、幅0.15〜0.5(1)mまで。
枝は直立し、5〜7稜で、青灰色を帯びた緑色です。多くの枝を、地表近くの茎(枝と区別がつかない)から出します。葉は針状ですぐに落葉します。
刺盾(きょくじゅん)は赤褐色から暗褐色へ変化する2本の細い主刺と、2本の托刺(たくし)、基部付近にもう一本、孤立した1mm程の小さな刺があり、合計で5本の刺を持っています。
E. aeruginosa および E. schinzii に近縁とされますが、5−7稜の枝と5本の刺等で識別可能です。5本の刺はE.aeruginosaでも時折見られますが、E.louwiiは稜間に淡い筋がある点で異なります。
※1 刺盾:スパインシールドのこと。隣接する刺の基部をつなぐ、角質化した構造を指す用語です。種の識別や分類において重要な特徴となることがあります。刺盾(きょくじゅん)と訳し、表現しました。
※2 托刺:托葉が変化して刺となったもの。
栽培について
栽培容易で入門種としても最適な種です。
自生地では冬季の最低平均気温は6℃程度です。耐寒性も比較的高く、霜にさえ当てなければ越冬可能です。とはいえ、最低気温5℃以上を保つのが安全なように思います。
生育期の潅水は「鉢内が完全に乾いてから」という基本を守れば、そうそう枯れることはありません。
青白く、綺麗な枝は観賞価値も十分です。

直立した枝を無数に伸ばす。
自生地のものと比較すると全体的に間延びしており、栽培に関しては改善の余地が大きい。その試行錯誤は楽しい。

稜間にクリーム色の淡い筋がある。
主刺2本、托刺2本、基部の孤立した刺1本の計5本の刺
参考文献
Peter V. Bruyns.(2022).Euphorbia in Souuthern Africa.pp.739-743.
Alma Möller & Rolf Becker.(2019).Field Guide to the Succulent Euphorbias of southern Africa.pp.80.
Royal Botanic Gardens, Kew. (n.d.). Euphorbia louwii L.C.Leach. Plants of the World Online. Retrieved April,11, 2025, from https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:347188-1
コメント