Euphorbia razafindratsirae Lavranos
原産地:マダガスカル
マダガスカル南西部に位置するTongobory近郊に自生するユーフォルビアです。
Lavranos氏によって2002年に記載されています。
種名は、マダガスカルの植物学者、園芸家であったAlfred Razafindratsira氏への献名です。
Razafindratsira氏は、マダガスカル固有の植物の発見と保全に大きな貢献をした人物として知られており、Euphorbia razafindratsiraeは1999年に彼が標本を採集したものです。
Rauh博士によって記載されたEuphorbia alfredii も彼の名に因んで命名されたものですから、彼の貢献度の高さが伺いしれます。


現在はEuphorbia mangokyensis のシノニムとされていますが、これはどうやら誤りのようです。
本種は同定が難解な花麒麟系ユーフォルビアの中にあって、葉に産毛が生えるという特徴があるため、識別は比較的容易です。
地中に大きな塊根を形成するため、実生で作り込むのが面白い種です。残念ながら挿し木苗は、何年育てても塊根をつくる気配がありません。本種の魅力を堪能するには、やはり実生苗を入手するのがよいでしょう。




栽培は容易で気難しさはありません。耐寒性も比較的に高く、5℃程度あれば越冬可能です。もちろん栽培環境の条件次第ですが、おそらく霜に当てなければ0℃近くまで耐えるように思います。
実生1年未満で開花に至るため繁殖もさせやすい種です。
ただし、本種の繁殖には、ある意味での難しさもあります。近縁な種が近くにある場合は容易に交雑してしまうため、雑交配とならないよう慎重に管理する必要があります。
Euphorbia razafindratsirae 最大の困難さは種名の読み方かもしれません。
マダガスカルの人名はマラガシー語の文法と文化的価値観に根ざしていることから、長い名前が多く、Razafindratsiraという名前は、Raza(祖先)、findra(見出される)、tsira(徳、品格)で徳ある血統の祖先といった意味を持ちます。
マラガシー語の発音ルールに基づけば、Ra(ラ)、za(ザ)、fin(フィン)、dra(ドラ)、tsi(ツィ)、ra(ラ)となり、ラザフィンドラツィラとなります。tsは日本語のツに近く、英語の「t+s」とはやや異なり「ツィ(iはィ)」のように発音されるそうです。
これに従えば、ラザフィンドラツィラエと読むのが正解のようです。

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