Euphorbia cryptospinosa / ユーフォルビア・クリプトスピノーサ

Euphorbia cryptospinosa P.R.O.Bally
原産国:エチオピア、ケニア、ソマリア


ユーフォルビア・クリプトスピノーサは栽培では稀なユーフォルビアです。種小名のcryptspinosaはcrypto(隠れた、秘密の)+spinosa(刺)、つまり「隠れた刺」という意味になります。
「手持ちの虫眼鏡でしか見えない微細な刺から、Peterが名付けた」とSusan Carter女史が述べているように、新芽にのみ微細な刺がみられるという、まさに隠れた刺を持つ面白いユーフォルビアです。

Euphorbia cryptospinosa
新しい枝には微細な刺がある

高さは最大で3mとされ、近くにある樹木などを這い上がるようにして生育していることも多く、半つる性の様な性質も持っています。葉腋(ようえき)から真っ赤な花を咲かせる姿は一見の価値があります。

現在、流通しているものは単一のクローンのみのようで、1973年にISI 808として導入されたもので、Werner Rauh氏がケニアのVoi(MombasaからNairobiへ向かう道の約250マイル地点、つまりMombasaから400kmほど内陸に入った地点のこと)で採集したクローンです。 

栽培は容易ですが、原産地からも推察できるようにに耐寒性はそれほど高くありません。特に冬季の断水気味の管理により枝の先端が枯れやすいように思います。
挿木も容易で、伸び過ぎた枝をカットした際に、予備の苗をつくっておくとよいと思います。
雌雄同株のユーフォルビアの殆どは自家受粉による繁殖が可能です(当然、率は悪いのですが…)。本種も多分に漏れず自家受粉による繁殖が可能です。

Euphorbia cryptospinosa
ストライブ模様次第に濃く表れる。

奇妙な姿に目が慣れてしまうと、面白みに欠けると思われがちですが、成熟すると刺座(刺の基部)が濃い茶色となり、茎が太くなるにつれてストライブ模様が表れていく面白い特徴があります。

参考文献

Susan Carter.(2025).Plant Hunting Adventures In Eastern Tropical Africa.pp.18-19.
Royal Botanic Gardens, Kew. (n.d.). Euphorbia cryptospinosa P.R.O.Bally Plants of the World Online. Retrieved May,5, 2025, from https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:346167-1/images

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